きょう、このBL本、読んだ。

商業BL本(漫画・小説)の感想。ネタバレあり。某文芸編集部編集者/小説編集者歴7年目(+校正者歴3年)。

「背伸びをして届くまで」 鳩屋タマ

[あらすじ]蓬莱 巡(31)・職業:売れないwebライター。仕事を選べる立場じゃなくアダルトグッズのモニターなんかもこなしたりする。そんな日々の癒しは近所の「しば整骨院」に通うこと。整体が目的…ではなく13歳年上の柴に会うため。小学生の頃、スポーツ少年団コーチの柴と出会ってから十数年、ずっと片想いをしている。ある日、独身で家事がままならない柴のハウスキーパーを買ってでた巡。いそいそと通い妻よろしく柴の元に通っていたが、柴にお見合いの話が持ち上がり―――?(電子書籍サイトの作品内容より)
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[感想]

仕事を選ばないWebライターです

めぐがなかなかのナイスキャラw 可愛い系の美形なのに、本業のWebライターの傍らで、趣味と実益を兼ねたアダルトグッズのモニターをすることに積極的w
ほろ苦い過去の思い出を夢に見て起きたら、おちり_(´ω`_)⌒)"_に大人のオモチャ入れたまま寝落ちしてたの笑ったわw その流れからのア○ニーもあっけらかんとしてて、エロというよりアホエロみがあって面白かったw
ぷくぅーっって膨れる子どもっっぽさと真面目なところの混ざり具合がちょうど良くて、こういうキャラでウザくないのは珍しいかも。31歳には見えないけど、めぐのキャラ好きだよ。


13歳の年の差

めぐが思いを寄せるのは13歳年上の整骨院の先生柴さん。めぐが子供の時にスポーツ少年団のコーチをしていて知り合って、その時からめぐは柴さん一筋なんだよねー。だから31歳になった今でも柴さんと喋ってる時のめぐは子どもっぽさが抜けてなくて、子どもっぽい勢いがあって、喜怒哀楽がいっぱいで、すごく可愛い。まぁ見た目も31歳には見えないw←2回目
10年以上も片想いしているけど、しっとりとしたせつなさよりも、ずっと慕って後ろをついて来た雛鳥っぽさがあって、ひたすら馬鹿正直に「好きっ」て気持ちを全身で発散してる明るさが魅力的✨
柴さんとの関係も、お互いにあまり遠慮をしないところとか、二人の距離感の端々に長い付き合いがあるんだなぁってにじみ出てる空気感も良いな。

おまえを見てると思い出すから

柴さんが若かりし頃、教育実習先の高校で生徒と恋愛していたことがわかった時のめぐの反応が好きw
ジト目→キレ芸からの「ちゃんと俺を見て ! 」で良いこと言った ! と思ったのに、「柴さんのハゲーーー ! わーんっっ」で自ら退場w
完全に子どもw ほんと最後まで話を聞きなさいって言いたくなるw
でもこのことで柴さんも腹をくくる心境に辿り着いて、念願の片想い成就でH✨して…すべてがめでたく収まってめでたしめでたし✨


あらすじにある柴のお見合い話は重要なエピとして展開するわけではなく、元彼の登場も合わせて、ちょっとした話の接ぎ穂ぐらいの感じ。
全体的にこざっぱりと綺麗にまとまってて、ちょこっと物足りない気がするけれど、可愛かったし面白かった✨
31歳には見えないけどって連発して書いたけど、描き下ろしを見たら弟共々、年齢通りに見えないキャラって設定っぽい。

鳩屋タマさんは「猫とスピカ」の1巻を買った時が初読みだったんだけど、あれはあまりピンとこなくて2巻も買わないまま。他の漫画も特に気になる感じではなかったんだけど、これは表紙に魅かれて購入してよかったと思った !
めぐの弟ハジメくんのお話「僕をしあわせにしてください」も思わず追加で購入したよw まだ読んでないけど楽しみ 。
そういえば「猫とスピカ」読んだとき、可愛い絵なのに結構H多いしエロいな...と思ったんだけど、この「背伸びをして届くまで」はそこまでエロ ! って感じではなくて、それはそれでよかったと思う✨

前後編の読切「キスの福音」

という漫画が後半に入ってて、こっちは主人公の倫太郎が軽率にも程があるって感じ。先生のことを大事に思って生きてきたって言ってる割には、告解室でノアと行為に至るとか…全然先生のこと(先生が大切にしている教会とか神父であることとか)を大事にしてなくて鼻で笑ったわw ご都合主義って感じのまとめ方なのもあまり好きになれなかった。

表題作「背伸びをして届くまで」はとっても好きです✨

ではまた !
浅葱 拝