きょう、このBL本、読んだ。

商業BL本(漫画・小説)の感想。ネタバレあり。某文芸編集部編集者/小説編集者歴7年目(+校正者歴3年)。

1一(ワンイチ)  / 雪路凹子

1一(ワンイチ)  / 雪路凹子

[あらすじ]体が弱く、幼い頃から臥せってばかりいる一(いち)。そんな一を慕う弟の懸次郎は、兄を慰めようと「犬になる」と、申し出る。それから数年、兄弟のごっこ遊びは続いていた。一が父に道ならざる想いを抱いていることも、それを諦めながらも未だ胸に秘めていることも、懸次郎は犬の“わん”として、ずっと見てきた。ただ一の傍にいたくて、一を幸せにしたかったから。だけど──。父に恋する息子。兄に恋する弟。兄と弟のごっこ遊び──。どこかオカシイ、禁断の関係。




[感想]
耽美な絵でシュールギャグ ! のイメージが強い雪路凹子さんのドシリアス。
昭和初期の時代設定がストーリーの雰囲気に最大限活かされてて素敵✨
実の父に想いを寄せる兄、実の兄に想いを寄せる弟。兄弟で父が母を想って書いた小説の悲恋を学校の舞台で演じることになり、それを軸にした登場人物の不安定さがすごく上手く描かれていて、全体を耽美と退廃が覆っているのもすっごく良かった✨弟くんの兄への一途な想いに胸を詰まらせたよ…。ちょいちょい雪路凹子さんらしいシュールさも感じられてこの1冊すごく好きです。
まんもす。←読めばわかるw



ではまた !
浅葱 拝