きょう、このBL本、読んだ。

商業BL本(漫画・小説)の感想。ネタバレあり。某文芸編集部編集者/小説編集者歴6年目。

白銀のオオカミと森のお医者さん / 中原一也(イラスト:奈良千春)

[あらすじ]人間社会に疲れた獣医の岡村は、先祖が代々受け継いできた山で動物のための診療所を開く。しかしそこは獣人が住む山だった。普段は可愛い動物の姿をしているが、ひとたび縄張り争いとなると血気盛んな獣人オヤジたち。中でも白銀のオオカミの牙狼は、雄のフェロモン垂れ流しで「俺と子作りしよう」と岡村を口説いてくるが…!?  狼の彼に舌で愛され、人の姿で激しく奥まで貫かれ――。白銀の狼×獣医のドキドキ動物パラダイス☆ 紙書籍発売時、フェア用に書き下ろされたSSを収録した特別版!(電子書籍サイトの作品内容より)
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[感想]
人間関係に疲れて相続した山にやってきた主人公の岡村と、山の人獣たちとのハートフル・コメディが主軸になっていてコメディ成分が多いけれど、生態系における相互関係を野生動物の食物連鎖で考えさせたり、廃棄物の不法投棄問題を、勢揃いした獣人親分達のキャラ砲火的な魅力の場として展開したり、キャラクターと出来事との関係の緩急のつけ方というか甘辛の振り幅が上手い。
多分、作家さん自身が自分の描くキャラクターの魅力を熟知しているから、さじ加減が絶妙なのかな?

それにしてもそれぞれの動物のキャラクター付けが面白い。もふもふ獣人系は今やBL王道設定なのに、オリジナリティにあふれている。
オオカミ、クマ、タヌキ、キツネ、カピバラ、ウサギ、コアラ、アライグマ、ビーバー...それぞれの動物たちが種別ごとに○○組という組を作っていて、トップが組長と呼ばれその下に若頭や若頭補佐がいて…….という風に、集団の中の役職や序列が極道社会のように成り立っているというw そして組長が人型になるとイケオジで、ちょっとばかり浪花節なのもツボるw
牙狼は黙っていれば多分クール・スパダリ一直線風なのに、言葉のチョイスや服従ポーズ等々、愛嬌があって面白い。

獣人がみんな、男気と茶目っ気を持ち合わせているのがいい味出してるんだよね。
もふもふ姿も良し。イケオジ姿も良し。紋付袴の和装も良し。スーツにトレンチコートのマフィアスタイルも良し…。
組長はもとより若い衆から子供まで、種別的に対立する部分がありながらも、みんなそれぞれに理解と尊重を持っていて、問題人物の”闇の目”の落とし所も懐が深い感じで良し。

主人公の岡村も、冒頭ではナイーブな青年というイメージしか持たなかったけれど、話が進むにつれ獣医としての真っ直ぐな強さを見せつつ、なんといっても重度のもふもふ好きっていう性癖が微笑ましい笑いを誘うw 
目の前に動物が現れたらもふらずにはいられなくて、もふってパァァァァっと喜んだり、純粋に動物好きーっな感じがかなり好印象。
牙狼との関係も”キチクだ”とか”浮気者”だとかイジられつつ、甘さ一辺倒な関係ではないのに、ベッドでは激しく甘々なのがいい感じ。
ちなみに人型の牙狼と、獣型(オオカミ姿)の牙狼との合体がありますw


色んな要素がてんこ盛りなのに、取り散らかった印象になっていないのはさすが中原さんという感じ。
萌え部分と個々のエピソードの連なりが自然なのでさらさら読めるけれど、全体的に充実した内容で面白かったです。
奈良千春さんのイラストが更にキャラクターを生き生きと魅力的に躍動させています✨


では、また!
浅葱 拝

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