きょう、このBL本、読んだ。

商業BL本(漫画・小説)の感想。ネタバレあり。某文芸編集部編集者/小説編集者歴7年目(+校正者歴3年)。

素晴らしい季節に優しい君と / 湯煎温子

[あらすじ]
高校で念願のオタクライフを謳歌するはずだった榎木純平くん。電子技術部存続の危機に駆け回るうち、学校イチのイケメン坊主・白滝涼介くんと出会う。恵まれた体格に精悍に整った容貌、同じ一年生らしからぬクールな佇まい――自分とはまるで違う白滝くんに憧れ、やがて、もっと笑ってほしいと願うようになって……? じんわりキラキラときめきが止まらないユースフル・デイズ
電子書籍サイトの作品内容より)

甘酸っぱくて、優しい

元野球部エースのイケメンと、電子技術部のビン底眼鏡男子という正反対な2人のキャラクターが生き生きしていた。
榎木くんの真っ直ぐに物事を見て物怖じしないところいいね〜。
登場当初どこか冷めた雰囲気だった白滝くんが、榎木くんの空気に感化されてどんどん活力をみなぎらせていく様子が、丁寧な心の変化の描写と合わせて描かれていて、相乗効果的に魅力が増していく2人の様子がとてもまぶしかった。
正反対な2人なのに、野球を通して家族の絆を繋いでいたかったからという理由で肩を壊した白滝くんの人柄の本質と、榎木くんの純粋で一生懸命な姿勢がぴったりと合う感じ。

白滝くんも榎木くんも、趣味や部活や学校生活や自分自身について高校生らしい若さの悩みで、自分で自分を肯定しきれない部分があったけれど、お互いを知って、好きになって、前向きになり、陰りのない笑顔で手と手を繋いで川べりを闊歩していくパッピーエンドに大満足。
電子技術部の先輩もオタク丸出しキノコかと思っていたら、一本筋の通ったところを見せてくれて、あぁ青春だなぁとほっこり。

書き下ろしの「はじめてのデート」編はこっちがにやけてしまう可愛さ。
初エッチ編は見てるのがなんか恥ずかしかったw 筋トレする榎木くんには笑った。

登場人物の苗字が鍋にちなんだ具材になっている遊び心可愛いw

では、また!
浅葱 拝