シャングリラの鳥Ⅱ / 座裏屋蘭丸
[あらすじ]心(ここ)には、一人入れる空きがある…ってこと?性を謳歌する男娼達の楽園シャングリラに、試情夫として雇われたノンケのアポロ。専属となった男娼のフィーに仕込まれるが──奔放な彼が抱える暗い過去。どこか不安定な様を見せるフィーが気になり始める。「一度だけ、好きな女にするように触って」縋るように乞われたアポロは……。変わりつつある、フィーとアポロの関係。試情夫のルールである「イかせないこと、挿入しないこと、絶対に恋に堕ちないこと」この3つのうち、犯してしまったのは──?(電子書籍サイトの作品内容より)
心が揺れて、距離も揺らぐ
意味深なフィーの過去が明らかになる過程で、フィーとアポロの距離感がぐっと近づいていく2巻。
2人の心の動きや葛藤を丁寧に描いているけれど、率直に言ってストーリー展開に取り立てて言うべき新鮮味や特徴がないので印象としてはありきたりだった。
決して面白くないわけではないけれど、次の更新を今か今かと心待ちにするほどの魅力はあまり感じられず...。
1巻は物語の走り出しということで、謎を孕んでいるキャラクターや男娼たちの楽園という舞台の窺い知れない雰囲気にとても面白みを感じたけれど、2巻はより現実的な空気になり色んなことが明瞭になったことで、登場人物(フィーやアポロ以外も含めて)の魅力が感じられなくなった気がする。
個人的にこの「シャングリラの鳥」の登場人物たちは、平均的魅力はあるけれど特別なものがなく、萌えのバロメーターが読んでて大きく振れることがないといった印象。
ストーリーも今のところはまぁ予想がつく展開なので、淡々と読み進めるという感じ。
エロスのシーンは相変わらず美しくてエロい✨
今回初めて座裏屋蘭丸さんの漫画を電子書籍で購入したんですが、トーン処理も思ったより綺麗に電子に落とし込まれてて良かったです。(某○するインテリジェンスは電子版のトーンが見苦しくて紙で買い直したので💧)
Shangri-la という理想郷の中で
次巻は試情夫のルールから一線を超えたアポロが、自分の変化に向き合うことになるのかな?
シャングリラという楽園が醸し出す”非現実的な現実”の中での変化って、一生その中に居るならどんな方向へ変化しても問題ないけれど、楽園を出て一般社会という現実に戻る日が来るとしたら、その変化は所詮まぼろしに過ぎないと思うので、次巻以降、どういう展開をしてどこに着地点を置くのか、という点にとても興味があります。
でも次の座裏屋さんの新刊は「コヨーテ」かな?
では、また!
浅葱 拝
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