きょう、このBL本、読んだ。

商業BL本(漫画・小説)の感想。ネタバレあり。某文芸編集部編集者/小説編集者歴7年目(+校正者歴3年)。

9月の祥伝社&幻冬舎フェアで購入したBL漫画(全12冊)

こんばんは、浅葱です。

9月は出版社さんの値引きフェアが色々ありましたが、私は祥伝社さんと幻冬舎さんのフェアでBL漫画とBL小説(幻冬舎のみ)を購入しました。
芳文社さんはレーベル「花音」で創刊25周年フェアをやってたけれど、欲しいのはほとんど持っていたのと9月の予算の関係で購入せずw

と言うわけで祥伝社幻冬舎フェアで購入したBL漫画の感想です。
なお、ブログ内の作家名タグは感想ありの作品の作家様だけにつけてあります。
ではどうぞー❗️
(順不同 / 敬称略 / あらすじは電子書籍サイトの作品内容から)

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祥伝社

YOUNG GOOD BOYFRIEND 番外編 メモリーズ / ダヨオ

[あらすじ]このBLがやばい!6位作品、アンコール番外編!BL界屈指の至高の年の差カップル・水沢(Sな溺愛系美青年)×高津(幸せ絶頂すぎて悩むおじさん)ふたたび!21歳と41歳の秋、2人は温泉旅行に行くことになり――。※本作は「onBLUE vol.30」に掲載された番外編作品です。【電子限定配信!】
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[感想]
一緒に歳を重ねて人生を歩むってこういう感じなんだなぁ、と思わせる優しい世界で幸せな二人。いい...ほんとにいい。だけど、二人の年の差を考えると少しせつなくもなる感じ。優しさの中に色んな感情が混ざる。本編を読んでこの二人のことが好きな人にはぜひこの番外編も読んでもらいたいです。

絶対BLになる世界 VS 絶対BLになりたくない男(1) / 紺吉

[あらすじ]【電子限定!描き下ろし特典マンガ1P収録】気づいているんだ。俺はマンガの世界の住人…しかも、ボーイズラブの。自分がBLマンガの世界の住人だと気づいてしまった主人公(※巨乳好き)。彼は迫りくるイケメン達を回避するため、BLマンガを大量に読み漁り、恋愛に発展しそうなシチュエーションなどの知識を得た。彼の身に着けた回避能力は今のところは無敵だが、そこは「BLの世界」…。次から次へと新しいシチュエーションで「BLの世界」のLOVEフラグが主人公に襲いかかる――!!ふんだんなBLあるある取り揃えております。不条理!!メタい!!BLギャグマンガ!! 描き下ろし26P収録!【電子限定特典付】
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[感想]
BLのあるあるシチュエーションに冷静な分析でツッコミを入れながら「絶対BLにならない」ように回避していく主人公が面白いw あるあるシチュエーションも多面的で思わずふはっwって声だして笑ったものもあり。自分に降りかかってきそうなBLシチュから身を守って徹底的に空気になって、BLの罠に嵌る他男子を心の中で南無〜って感じで見送る無表情がツボ。
1巻ではBL全回避できたけど、この先もモブで居続けられるのか...奮闘ぶりとかツッコミを楽しみに待ってる✨

因果の魚 / 新井煮干し子

[あらすじ]「エリート御曹司×絶対服従いとこ」 いとこ同士で幼なじみの逸成(いっせい)と涼一(りょういち)。社長御曹司で俺様な逸成と、彼に従うばかりの陰気な涼一との間にはいびつな主従関係ができあがっていた。心酔する逸成からの征服を受け入れ、喜んで体を差し出してきた10代の涼一。しかし数年後、同じ会社に入った2人の関係は少しずつ変わりはじめて──。 「涼一はおれの言うことを何でも聞いた――。」
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[感想] 積読中📚

渾名をくれ / 新井煮干し子

[あらすじ]「ジョゼはおれの神様だった。」 愛されるより愛したい絵描き×対等に愛し合いたいモデル。超純粋ラブストーリー。 愛で溢れているのに、すれ違うのはなぜだ。有名イラストレーター・天羽(あもう)と超人気モデルのジョゼは同居中。天羽は美しいジョゼを愛し、ジョゼが他の男と寝ても、帰らない日が続いても、召使いのように従順に受け入れる。「愛されるより愛したい」。それが天羽という男だった。しかし、ジョゼの恋心が自分に向かっていることを知り、天羽の心中は――。 愛されることを望まない絵描きと、対等な恋人になりたいスーパーモデルの純粋すぎるラブストーリー。「おまえを独占するなんて、どんなに望んでも叶わないと思ってた――」
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[感想]
不安定な感情から不安定な行動をするのはジョゼの方なんだけど、天羽は単なる「好き」とか「愛」とかいうものの枠組みの外にある観念的な気持ちに比重を取られていて、気持ちの不安定さにグラつくことを恐れているのは天羽の方なんだな。
あとがきによれば元々は「信仰」の話を書きたかったということなので、天羽の頑なさとか、ひっそりとした愛し方とか、自己完結している身勝手さは、多分そういうところから作り上げられたキャクター性なのかなぁ。
お互いを好きだということは間違いないんだけど、噛み合わない気持ちでお互いを想っていて、ずっとジョゼが幸せそうに見えないんだけど、結末としては二人でいる幸せにたどり着いていて、すごく難解な二人だった。

うそつきあくま(上・下)/ 雁須磨子

[あらすじ]嫉妬深い毒舌の先輩作家×健気な元アシの売れっ子作家、漫画家どうしの恋愛愛憎。余利計一は健気なほうだ。先輩作家・宇郷悟が好きだったが、セフレのような扱いに甘んじている。宇郷という男は、嫉妬深い・卑屈・毒舌と3拍子がそろう性格の悪い男で(そしてセックスはねちっこい)、ファンでアシスタントだった余利に手を出したあげく、余利が100万部超の大ヒット作家になるやその腕から放り出したのだった。そして余利が泣いて泣いて立ち直った頃に宇郷はなぜか再び現れ、肉体関係は復活。ふりまわされて心を痛める余利は――?
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[感想] 積読中📚

寄越す犬、めくる夜(1〜4) / のばらあいこ

[あらすじ]極めて、凶悪な受2人。タチが悪くて手に余る、2つのカラダ──。【お人好し攻×クズのチンピラ受×ヤクザの“オンナ”受】 舞台はヤクザ経営のカジノ。バイトの新谷(しんたに)はチンピラのディーラー・菊池(きくち)がやっていた横領に巻き込まれ、制裁を受けることになってしまう。制裁を命じるのは会長(オーナー)の“オンナ”・須藤(すどう)。命令は「ビデオカメラの前で菊池を犯せ」。唐突な命令に硬直する新谷だったが、須藤にモノを咥えられ、泣きじゃくる菊池を犯すよう導かれ──。 闇社会に踊るドロドロ三角関係、開幕!【電子限定カバー&特典付】
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[感想]
闇を抱えたまま悲惨な愛のような何かを交わす3人の関係が本当に痛い。新谷の優柔不断さがその痛い悲惨さを増大させてるのがまたつらい。
4巻を読んだからというわけではなく、1巻からずっと須藤に肩入れする気持ちがあって、でも読者の人気的に菊池の方が救われそうだよなぁ。特に4巻の「菊池には敵わなかったけれど、新谷くんのことがほんとうに好きだったよ」って須藤の言葉で、須藤の終わりが近づいているような気がする。それを裏切って救って欲しいと思う気持ちと、ここまできて3人でハッピーエンドになったら興醒めするかもしれないと思う気持ちで、なんだか私の中で訳のわからないハッピーエンド vs バッドエンドの葛藤が渦巻いてる。絶対最後まで見届ける作品だと思う。
それにしてもon BLUE ってすごいレーベルだよね...かなり購入してます。

幻冬舎

ご主人さまとけだま / 小石川あお

[あらすじ]ひとり暮らしのサラリーマン・千草が子猫だと思って拾った薄汚れた毛玉。綺麗にして、ご飯を食べさせ、あたためて寝た翌朝――部屋には白くて長い髪に着物、猫耳と尻尾が生えている見知らぬ青年がいた。千草を「ご主人」と呼び、懸命に仕えようとする彼に「けだま」と名付け、一緒に暮らすようになるが……。電子限定おまけ付き!
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[感想]
報われることを求めない一途な健気さの波状攻撃で泣いたわー。健気キャラは私の中で好き or 嫌いがすっぱり分かれるんだけど、このけだまの一生懸命な健気さは大好き。
けだま姿のけだまが「ぼくは今はじめてほこらしいのか」って泣き笑いの表情で千草の幸せを願って、ころんところがって果てるところ号泣。もふもふというほどもふもふしてないフォルムも”けだま”感があって、外に出てけだまが薄汚れた感じになるのがまたせつない...。ずっとずっと幸せに暮らして欲しい。

今夜も君にごちそうさま / 森嶋ペコ

[あらすじ]ぼっちでグルメ同好会をやっている大学生の大成が惣菜屋の美人店主・花岡と彼の作るごはんに一目惚れ。無邪気に慕っていたはずなのに、花岡が自分の知らない顔を見せるたび苦しくなったりするのは何故?もっと近づきたい、もっと食べたい……って花岡を!?未経験の欲望に戸惑う大成の前に、花岡の元カレが現れて――。電子限定おまけ付き!!
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[感想]
過去の苦い恋愛の記憶から引きこもりがちな人づきあいしかしていない花岡さんの心を、ゆっくりと溶かしていくまっすぐで誠実な大成のキャラがいい。ほんとに美味しそうにご飯を食べるところ、いっぱい食べる君が好き〜って感じでほんわか。花岡さんの艶のある表情も素敵で、ほのかに感じさせる色気が清潔感あるのも好感。
大成が友人の助言で改めて、ただただ正直に美味しいって気持ちを伝えるのと同じように、好きっていう気持ちを伝えるところ、よかった。
王道展開なんだけど、気持ちの見せ方とか表情とか、すごく上手いと思った。
漫画全体の優しい雰囲気が、お惣菜の優しい味まで感じさせて、こんなお惣菜屋さんがあったら毎日通う...欲しい。
ところで花岡さんと剛くんの関係がなんなのか最後までわからなかった...従兄弟とかなのかな?


では、また!
浅葱 拝